ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2024.5.4 11:47

『活躍』と貴賤

何年か前、DOJOを病欠して生放送で見ていたときのことです。
うろ覚えですが、女性問題に関する議論になって、参加していた女性が、
「誰だって風俗で働くよりも弁護士になりたいと思うはずだ」
と発言する場面があり、あからさまに職業に貴賤をつける様子に驚愕しました。
そりゃ社会的地位も収入も高く、一般的に「すごいですね」と憧れられる仕事について、『活躍』してみたいという気持ちは多くの人の心の底にあると思います。
だから高い地位にある人を引きずり下ろすようなスキャンダルが盛り上がるのだから。

でも、現実には、いろんな仕事をしながら生計を立てている人がいるわけです。

私は、20代のときに起業して、失敗して、多額の負債を抱え、それを返済するために風俗で働いていました。その時の日々を書いたエッセイが、作家としての最初の本です。
それから20年以上たち、当事者であることに過敏だった頃とはまた違う眺め方をしていますが、たとえデタラメでもなんとか現金をつかんで生きている人に、「その仕事より弁護士になりたいはず」はないよね、とやっぱり思います。
これは、私が男尊女卑の感覚から抜け切れていないから思うことなのでしょうか?
私は、女性みずからが女性に対して貴賤をつける感覚からはじまっている「女性の問題」が、実はけっこうあるようにも思っています。

5月26日のDOJO2日目では、そのあたりにも触れて、内面の幅を広げながら、議論を前進させていきたいと思っています。ぜひ参加してください。

 

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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